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デフレ下の完全雇用 [経済・社会]

  デフレ下の完全雇用

日経新聞によると3月の完全失業率が3、4%になったそうだ。これはバブル時に匹敵し完全雇用に近い状態ということだ。

新聞や、メディヤの解説者や、経済学者たちは、これで賃金が上がるようなことを言ってはしゃいでいるが、そんなのんきな事態ではないかもしれない。

賃金が維持されていても、物価が上昇したり、消費税の引き上げなどにより国民負担が増加すると、生活水準の低下をもたらす。

生活苦がより多くの働き手を出現させたのかもしれないのだ。生活維持のため、普通の経済状態なら働く必要が無かった高齢者が、働きに出なければならなくなった。あるいは学生が学費が捻出できず働かねばならなくなった。あるいは経済的な理由で進学できず、働きに出たのかもしれない。

低開発国のように国民全体の就業率が上がったのかもしれない。

今回の失業率の低下の問題点は、
1、賃金の自然な上昇が伴わない雇用増であること。
2、少子化と高齢化が進み、労働人口が減少している最中の雇用増であること。
3、公共投資による、インフラ整備などの施工数が多くなっており、規模も非常に大きくなっている。それに従事しなければならない労働者もたくさん必要である。

1、は、デフレ下では、低所得化が進み、所帯主の賃金が低下している。そのため、ローンの返済や、消費税の引き上げによる負担増、年金のカット、円安による輸入品価格の上昇などにより、所帯主の所得だけでは生活水準を維持できなくなっている。

それ故、家庭の主婦がそれを補う主な担い手であったが、もはやそれでも足りず、子供や、高齢者も、働きに出て生活水準を維持しなければならなくなって、労働者が増えたのかもしれないのだ。

賃金の政府の要請的な賃上げはあるが、需要増の労働不足から賃金が上昇し、その結果再び働く人が増えたというような話は聞かない。

あるのは大規模な公共投資によって労働不足から雇用の機会が増えていることだ。
そのため仕事を得る機会が増え労働量が伸びている。
それが個々人の所得増になっているかは疑問だ。

消費税の引き上げや、円安による物価高の生活苦から働かなければならない人達が増え、そして求人数の改善から雇用増をもたらしたかもしれないのだ。

デフレ下での労働曲線は右下がりである。(もうそろそろこの定義は正しいと認識できるだろう。バブル崩壊後、所得が低下したのは明らかだ。)

国民負担の増加や、ローン返済の負担によって消費が落ち込み、企業の付加価値がさらに低下する。
企業の付加価値の低下は、企業間競争をより激しくし、それが賃金の低下をもたらす。

賃金の低下は、長時間労働や、時間外労働の増加をもたらすため労働量が増えるのである。

デフレ下では賃金の低下や、国民負担の増加が、雇用を増やすのである。デフレ下では雇用増によって失業率が低下しても、賃金増に直結するもではない。

デフレ下の労働曲線の右下がりは、労働人口の増加が賃金の低下もたらす事を意味しているからだ。

消費税引き上げによるデフレの深刻化は雇用を増やし失業率を低下させる方向に働く。現時点での失業率の低下が、このような事態を招いている可能性が大きい。

この調子でいくと、失業率が3%を切る日が間もなくやってきそうだ。特に消費税を10%に引き上げるなら、失業率2%台は計算に入れておかなければならない。

バブルの最盛期の時でも、失業率が2%台に乗ることは無かった。それはバブルでは、失業率が完全雇用に近づくに連れ、所得が大きくなるからだ。

完全失業率が低下し、完全雇用に近づけば近づくほど、所得が増えていくため、働かなくても暮らせる人が巷に増えるのである。そのため完全失業率が2%台にならなかったのである。

逆にデフレ下では、低所得のため、労働時間を延ばしたり、アルバイトを増やす傾向があり、完全失業率が2%台に突入する可能性が高いのである。

消費税引き上げなどの国民負担の増加が、生活苦を招き、それが労働量の増大に結び付く。それがさらに生産物の付加価値を下げ、低賃金化していく。その悪循環が失業率2%台を実現するのだ。

皮肉なことに、バブル時の高所得の時より、デフレの低所得の方が、雇用数が増え、失業率が低下するのである。

なるほどバブル時の高所得は労働意欲を高め、雇用増を導くが、働かずに暮らせる人も増えるため、日本全体の就業率は上がらない。

しかしデフレ下の低所得は、生活苦から、あるいは生活水準維持のために、働かねばならない人が増え、就業率が上がっていく。そのため失業率がどんどん低下していくことになる。


バブル時の完全雇用は、労働者がその選択権をもっているが、デフレ時の完全雇用は、生活維持のため働かざる負えず、選択権はおおむね企業側にある。

失業率が低下するが、賃金が上がらず、国民の就業率が上昇するのである。

2、少子高齢化で労働人口が減少している。

その中での雇用増である。普通の状態であれば労働人口が減少すると、労働者の取り合いから賃金が上昇するはずである。しかしデフレ下の日本では、賃金が自然に上昇していない。

労働人口の減少しているさなかで、失業率の低下は、国民の就業率が上がったからと考えられる。なぜなら
賃金が増加していないからである。

3、はてしない公共投資によるインフラ整備の増加は、より多くの労働者を必要としている。そのため必要以上に労働者の働く場所が増えている。

デフレの一つの特徴に、所得線が45度以下に下がっていることが上げられる。そのため付加価値が低下しており、生産量を正常な経済の状態よりも増やさなければならない状態である。

そのため多くの労働者が余計な生産に従事していることになる。公共投資の増加はこのような状態をより一層強めるものである。

このようなデフレ下の雇用機会の増加が、失業率を低下させ、日本の就業率を高めているのである。

これから先、デフレスパイラルが深刻化するにつれ、より多くの公共投資が行われるだろう。その結果、雇用の機会が増え、労働量が増えていくが、生産量の増大は低賃金化を招き、さらなる縮小循環になっていく。
もし消費税を10%にするようなことがあれば確実に失業率は低下し、2%台に入るだろう。それは完全雇用という名の国民皆勤の状態である。それでもさらに低所得化していくのである。

消費税の引き上げによるデフレ恐慌が、政府の借金による公共投資をさらに増やすことになる。公共投資による労働機会の増加は、労働量を増やす。

労働量の増大が、失業率を2%台にし、より低賃金化をまねく。

一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
参照


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コメント 1

あ

アホ?
by あ (2015-08-04 14:18) 

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